スニーカーだけど、ドレスシューズのような美しさを併せ持ち、履いた人を美しくみせてくれるニューバランス。
実際に履くと、"スニーカーはメンズライクなもの"という概念が壊れるので、女性にこそ強くオススメしたい魅力的なモデルです。
900番台でもない、500番台でもない独特の表情をしている、唯一無二の異彩を放つモデルです。
M1500ってこんなモデル

かっこよさ | |
価格 | ~¥30,800 |
サイズ感 | 細め |
履き心地 | 硬めの感触・安定型 |
ミッドソールのクッション | ENCAP構造 |
誕生年 | 1989年 |
イギリスのフリンビー工場にて職人の手仕事によって仕上げられているモデルの1つ。
それによって大量生産では扱いが難しいスムースレザーのモデルも多数展開しているので、革靴が好きな方や、どこに履いていっても恥ずかしくないスニーカーを探している方にオススメ。
M1500正直レビュー
ラグジュアリーなアッパーデザインが◎
「ニューバランスのスニーカーって、サイドに大きな【N】があって運動靴っぽいのよね。自分にはちょっと・・・」
そう思っている方にこそM1500の存在を知っていただきたいです。
サイドのNが小さい刺繍から成るのは見ての通り。
オーソドックスな、ダイナミックで元気なニューバランスのデザインとは一味違うのがアッパーのサドルです。

サドルがトゥキャップに覆われていることで、サドルの面積が小さくなり、かなりスッキリとした印象。
同じデザイン配置の代表的な主要品番は、M991、M992、M993
です。
特に992、993は見たら強烈に印象に残るデザインで、カルト的な人気があります。
個人的にはそれらの900番台よりもスマートで背高・ラグジュアリーさを演出できる特別なスニーカーです。
実際に私も、カジュアルになりすぎないようにしたい時によく履いていますが、それはM1500にしかできない仕事なのです。笑
デザインが左右する印象
これは革靴のデザインを例に出すと分かりやすいと思ったので軽く触れます。
ダービーシューズ(外羽根)とオックスフォードシューズ(内羽根)をご覧ください。


2つを並べて見たときに、サドルが露出している面積が大きいほどカジュアルであることが分かって頂けると思います。
どちらも外羽根仕様なのですが、トゥキャップに覆われて内羽根っぽい要素もあると感じます。
例えばML574は完全に無骨な印象です。M1500は色々とデザインパーツが多いのに、スッキリしています。
M1500が上品にまとまっている要因はここにあると私は考察しています。
M1500の履き心地は硬め
フワフワ系のクッションではないので、万人が良い!好き!と思える靴としての分かりやすさが無いかもしれません。
しかしながら、一日の終わりに靴を脱ぐと「あれ・・・疲れていないな」と実感できます。
M1500はメディアなどで「履き心地が随一で良い」と称されることが多いです。
クッション自体はいたってシンプルだが、足全体(特にかかと)をしっかり捉えてくれる構造が合わさり、結果として、"足が疲れにくい"のでは?と考えます。
かかとに向かって高くなるように傾斜が付いており、M990v2の履き心地にかなり近いです。
M1500のサイズ感はかなり細い
私は足幅が標準の女性です。USA・UK製はすべて25cmを履いています。
購入して間もない頃は、「甲がキツい・・・」と思うことが何回かあったのですが、履いていくうちに全く気にならなくなりました。
"足に合った靴を履くと本当に疲れない"という事を教えてくれます。
私はかかとが小さくて、何を履いても足が浮きやすいのですが、M1500はタイトなおかげで全然足ブレしなくて快適です。
M1500と別売りインソールの相性
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ライトウエイトインソール (LAM35687) | サポーティブリバウンドインソール(LAM35689) | クッショニングレザーインソール (LAM35716) |
軽量で薄いので使いやすい サイズに干渉しない 足が滑らなくなる | 土踏まずにアーチサポート 反発弾性がある | 表面に毛玉ができない フワフワになるので 1500の硬さが気になる人に |
相性 | 相性 | 相性 |
M1500に関しては、あまり靴の中で足が滑る感覚がないので、敢えてクッショニングレザーインソール (LAM35716)で柔らかさを足すのも悪くない。
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参考ニューバランスのインソール3種類を比較!
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M1500スペック
素材:スムースレザーのものが多い
スムースレザー(ツヤっとした革)はソールの接着などで、仕上がりにムラが出やすいです。
横から見たときにミッドソールとの間に隙間があるように見えたり、傷が入ると一発アウトなデリケートさもある。
ですが、手作業が多いUKのフリンビー工場では安定した生産が可能となっているそうです。


余談
私は靴を作っていたので痛いほど分かるのですが、ソールを貼る部分のギリギリをヤスリがけするのは難しく、やりすぎると傷が見えてしまうし、やすり足りないとミッドソールとの間に隙間ができてしまうのです・・・。
逆にスエードは接着の前のヤスリがけが少々アバウトでも、革が起毛していることで糊の乗りが良く、仕上がりにムラが出にくい。
USAはUKに比べ、機械でのオートメーション化が進んでいて、ピッキングスウェード(豚の起毛革)が多い傾向ですが、UK製はスムースレザーの製品も多い傾向があると感じています。
そんな背景を知ると一度は履きたい!と思わずにはいられないし、3万円近く出す価値があるなぁと思ってしまいます。
コスパや時短が当たり前として重視される世の中を敢えて逆行していく上質なニューバランスも悪くないですよ。
そもそも、靴や服が激安で買える事の方がどうかしていると思います。
革命を起こしたミッドソール構造
靴を作る工程で、ミッドソールはEVAを何枚か重ねて接着することや、かかとの補強(スタビライザー)が外付けであることは、ある意味”普通”です。
現在もこういった技法は使われていますが、M1500がデビューした1989年、クッション性も、かかとのホールド性もミッドソール一枚で全部完結できることはかなり革命だったはずです。
同じENCAPでも、単一でない積み上げソールは、どことなくクラシックな印象になることが写真からも分かります。

M1500のアウトソール

アウトソール(靴底)は舗装路に特化したソールパターンになっており、滑り止めに特化したような突起ではないです。
街中、普通の道を歩くのは問題ないのですが、苔がついてツルツルしているような石階段の上では滑りやすかったです。
他UKモデルと比較
M991とM1500比較

M991 | M1500 | |
ヒール高さ | 3.5cm | 3cm |
Nの大きさ(全長) | 3.2cm(反射材を縫い付け)![]() | 2.7cm(直に刺繍)![]() |
履き口の高さ | 5.5cm | 5cm |
雰囲気 | カジュアル・ハイテク系 | 上品な佇まい |
使用木型 | 細めのSL-1 | |
ミッドソールのクッション | ABZORB(衝撃吸収に特化) | ENCAP(衝撃吸収・安定) |

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参考ニューバランス991を徹底評価!
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M920とM1500比較

M920 | M1500 | |
ヒール高さ | 4cm | 3cm |
Nの大きさ(全長) | 3.7cm(反射材を縫い付け)![]() | 2.7cm(直に刺繍)![]() |
履き口の高さ | 5cm | 5cm |
雰囲気 | カジュアル・クラシック | 上品な佇まい |
使用木型 | 細目のSL-1 | |
ミッドソールのクッション | ENCAP(衝撃吸収・安定) |

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まとめ
ニューバランスの中ではエレガントなモデル
すっきり無駄のないデザイン、足元にボリュームが出すぎないので幅広いコーデや年齢にマッチする。
スニーカーでありながら、上品な見た目。唯一無二のニューバランス。クオリティにも満足できる
ハンドクラフトを体現したイギリス製。
仕上げにムラが出やすく手間がかかる上質なスムースレザーを使用したモデルも多く存在している。
大きな企業で、このような商品を提供しているのはNBくらいです。サイズ感はタイト
幅細め、甲もやや低め。足の幅が広めの方は注意が必要。
かかとが小さめだったり、足の幅が細い方なんかはバチバチにフィットして歩きやすいのでオススメです。
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