コアなファンの多いM990v3のエッセンスを味わえてしまう、実はかなり面白いモデルのM920。
こいつはイギリス製でありながら、アメリカ製のような顔をしている。
履くとかっこいい、それでいて足に優しい、更にNBの虜になってしまう1足でした。
元店員でありながら、靴を作っていたことがある私が細かく解説&解釈していきます。
920はこんなモデル!
存在感・かっこよさ | |
価格 | ~¥31,900 |
サイズ感 | やや大きめに感じる・ゆったり |
履き心地 | ほどよい硬さがあり安定する |
ミッドソールのクッション | ENCAP(990v3のソールを使用) |
誕生年 | 2020 |
2020年にデビューした900番台ということに由来して、M920という品番がつきました。
ハイエンドモデル(高価なNB)の900番台はアメリカ製が多いですが、M991とM920の生産地はイギリス。
【イギリス製のNBは、ドレッシーでお上品】とよく言われますが、ハイテク系な見た目でイギリスらしからぬモデル。
元店員の正直レビュー
疲れにくさは最強
冒頭でも触れましたが、M990v3(M990の3世代目)のミッドソールが丸ごと付いています。
最初に結論を言っておくと、適度にグリップが効く履き心地で、足が屈曲しすぎず、歩きやすさ・疲れにくさはパーフェクトです。
私はNBミッドソールのテクノロジーに萌える人種なので、個人的に垂涎モノでした。
「そんなことがあって良いの!?絶対履きたい」と思っていてやっとGETしました。笑
履きやすさに定評がある・ファンの多いM990v3のクッション性やエッセンスを味わえる、面白いモデルとなっております。
詳しくはミッドソールの解説で後述します。
ハイテク×レトロ融合ハイブリッドデザイン
M920はハイテクっぽさもありながら、どこかクラシックさもある。
NBのハイテクスニーカーの代表作であるM990シリーズの要素や、少し大きめの【N】が配置されていたりと、新しさと懐かしさが共存しています。
公式の説明では、「クラシックなアッパー構造ではなく、現代的なシルエットでアッパーを構築」と言われているのですが、ML574やCM996のような感じのアッパーではないで!という事を指していると解釈しました。
いわゆる、バラバラに分離したパーツがアッパー上に少ないものは、"靴の構造の定番"ともいえます。(=クラシック)
最近のNBのシューズでいえば、MS327がスニーカーの原点に近い構造をしています。
最新の技術を感じられる990シリーズが好きな方には刺さるようなデザインだと思います。
別売りインソールとの相性
ライトウエイトインソール (LAM35687) | サポーティブリバウンドインソール(LAM35689) | クッショニングレザーインソール (LAM35716) |
軽量で薄いので使いやすい 足が滑らなくなる | 土踏まずにアーチサポート 反発弾性がある | 表面に毛玉ができない フワフワになる |
相性 | 相性 | 相性 |
参考ニューバランスのインソール3種類を比較!
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サイズ感はややゆったり
イギリス製のNBは新品の状態だとタイトな履き心地のものが多い印象なのですが、M920はメッシュの面積が多いので最初からそこまでタイトという感じでは無いです。
普段【幅が合わなくて大きめでNBを履いている方(先が余っている)】であればサイズを下げることを検討してもいいでしょう。
いわゆる、UK製のM1500やM991のようなガチガチの履き心地ではないので、誰もが履きやすい・挑戦しやすい。
逆を言えば、M1500やM991が問題なく履ける方はサイズ感を不安に思う事なく履けると言えます。
920スペック
ミッドソールのシャンク
皆さんが普段履いているハイヒールや、パンプス、革靴の体内には必ずシャンクといわれる【ふまず芯】が入っています。
これは普段は見る事ができないのですが、例えるなら、人間の背骨のようなものです。
一般的にスニーカーにはシャンクを入れないことのほうが多いですが、NBのスニーカーにはたまにシャンクの役割をもつものが入っていますが920はガッツリ入っていますのでそれをお見せしましょう。
例えば、大人気の2002R。超軽量のTPUスタビライザーという支えが付いています。
これだけでも、足裏の安定感はハンパない!と私は感動しました。
では、M920のシャンクを見てください。
いやいやいや・・・ミッドソールでワザを決められると惚れてしまう!!!!(大興奮)
こちらも見た感じ軽量化に特化した硬いプラパーツのようなものですが、適度にしなり、バネとしての反発性もあります。
まさに、超・理にかなったシューズなのです。
以上の理由から、M990v3が欲しかった方や、v3ファンの方に自信をもっておすすめできます。
ミッドソールのENCAP
シャンクについてアツく語りすぎましたが、ミッドソールのクッション構造・ENCAPにも触れておきます。
私たちからは外側のポリウレタンしか見えないのですが、柔らかすぎたりせず、安定性がある履き心地が特徴だと私は思っています。
グニャグニャすることが絶対にないので歩きやすく、長時間歩く時に不安になることもありません。
有名どころでいうと、世界で一番履かれているNBのML574なんかもENCAPです。
耐摩耗性のあるアウトソール
一般的に販路の広いおなじみのNBに比べると、ビブラムソールのような厚みがある硬めのラバーが使われています。
よっぽど、すり足でもない限りはすぐにすり減ることはありませんし、他のブランドに比べて後ろから見たときの靴の姿がいつまでもキレイなのはNBだよな~!と思っています。
歩いていて思ったのは、前足部のラバーがしっかり地面をとらえます。
どっちかというとオフロード系のソールパターンですね。ツルっと滑る心配もありませんし、地面をしっかり蹴れるので歩きやすいです。
他UKモデルと比較!
M991と比較
M991も同様に900番台でありながら、イギリス製のNB。顔はUSA。M920と境遇が似ています。
「どっちにしようかな」と思っている方の参考になれば幸いです。
M991 | M920 | |
ヒール高さ | 3.5cm | 4cm |
Nの大きさ(全長) | 3.2cm(反射材を縫い付け) | 3.7cm(反射材を縫い付け) |
履き口の高さ | 5.5cm | 5cm |
雰囲気 | カジュアル・ハイテク系 | カジュアル・クラシック |
使用木型 | 細めのSL-1 | |
ミッドソールのクッション | ABZORB(衝撃吸収に特化) | ENCAP構造(衝撃吸収・安定) |
街中で992・993を履いている人をめちゃくちゃ見かけるのですが、「あのファッションがしたくてすぐ欲しい」という理由であれば、正直M991もオススメです。
メルカリなどで偽物を掴まされるリスクもない上に、992・993の先祖であるため系譜は似ています。
M1500と比較
イギリス製のNBってお上品なんだよね。と語られることが多いですが、その代表的なUKモデルがM1500です。
まったく雰囲気が違うのですが、M1500は販路が広いので比較してみようと思います。
M1500 | M920 | |
ヒールの高さ | 3cm | 4cm |
Nの大きさ(全長) | 2.7cm(直に刺繍) | 3.7cm(反射材を縫い付け) |
履き口の高さ | 5cm | 5cm |
雰囲気 | 上品な佇まい | カジュアル・クラシック |
使用木型 | 細めのSL-1 | |
ミッドソールのクッション | ENCAP構造(衝撃吸収・安定) |
まとめ
どんな人でも比較的履きやすい
UKモデルは【幅が細い】【吊りこみが強めにしてある】と言われており、高確率で最初は細いと感じる方が多い傾向にあります。
M920はメッシュの面積が多いので最初から柔らかく、履きやすい。
ゆったりと感じる。そのため、多くの方がサイズ感を気にせず、チャレンジしやすいモデルだと思います。
M1500やM991を持っている方はそのサイズで大丈夫です。(幅に合わせて大き目を履いている方は下げてもいいかもしれません)ミッドソールが優秀
スニーカーには珍しいシャンクが搭載されており、踵のENCAP構造も安定感抜群。
歩く事が多い方や、足の健康を気にされる方にもとってもオススメです。