このブログでも、「ニューバランスML373は、996や574と何が違うのか教えてください」というコメントをいただいていました。
正直、見た目がかなりCM996と似ているけれど、価格の比較くらいしかできなかったのではないかと思います。
今回はその謎に答えるべく、デザインやフォルムが似ているCM996と比較していきます。
ML373とCM996スペック比較
価格 | 販路 | 素材 | サイズ | 幅 | 重量 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ML373 | ~¥9,800 | ASBEE等の量販店 amazon | 合皮 | 22.5cm~ 30cm | 細い | 197g (片足) | |
CM996 | ~¥16,280 | NBの店舗 量販店 amazon | 天然皮革 | 22.0cm~ 30cm | 細い | 270g (片足) |
ミッドソールテクノロジー比較
靴の履き心地・疲れにくさを最も左右するのは、クッション(ミッドソール)です。
ニューバランスのクッションには、独自技術によって作られたクッション素材が豊富にあります。
例えばCM996にはEVAを圧縮形成しクッション性を大幅に向上させたC-CAP(シーキャップ)というクッションを搭載しています。
C-CAPはフワっとした感触があり、加水分解しにくい素材なので長持ちしやすいという特長もあります。
反対に、ML373はテクノロジーなしのEVAが付いただけのかなりシンプルな構造。
反発する感触や、素材の厚みなどの個性はなく、ただただ地面をダイレクトに感じ、正直かなり安っぽい履き心地がします。
ちなみに家族に何も言わず履いてもらったら、同じ感想を言ってきました・・・鋭い。
ソールの厚み比較
「ML373はソールが薄い!かなり安っぽい履き心地がする」と散々ヒドイ事を言ってしまったからには、実際に厚みを計測していきます。
ML373はアウトソールが1mmの厚さで、5mmの突起がポコポコでているパターンです。
そこらのビーサンよりも薄いんじゃないか・・・履いて歩くと地面の感触をダイレクトに感じる薄さで、物足りなさを感じます。
家族が以前に似たモデルを履いていましたが、ソールの摩耗が早かったので今はCM996しか買わないと言っていました。
確かに1mm厚だと寿命は長くはないかもしれません。
反対にCM996は均一5mmです。
ML373よりもラバーが硬めで全体が5mm厚なので、そこまで地面をダイレクトに感じませんし、「安いな~」と感じる履き心地ではありません。
1年間たくさん履いても、ソールがすり減りすぎて足が滑ったりする事もありませんでした。
日常生活で移動が歩きメインの方は、5mmはあったほうが良いと思います。
(ただ、他のハイテク系モデルと比べたら薄いと感じます・・・)
アッパーの素材比較
実はアッパーの厚み、素材感においてもML373は【かなり安っぽい履き心地がする】のです。直球に言えばペラペラです。
正直、メッシュなんてそんなに変わらないでしょと思っていましたが、ML373を履いてからその考えは変わりました。
この写真に写っているCM996・ML373はどちらも新品です。
一瞬屈曲させてみただけですが、ML373のメッシュはがっつりシワが入ります。CM996はそこまで跡が残っていません。
あとは、並べてみた時に質感が違うのはお分かりいただけるでしょうか。
履いて遠目に見るぶんにはそこまで分かりませんが、近くで見ると目の粗さとかしなやかさが違う。
どちらにせよ靴はシワが入るものですが、値段の差は素材の良し悪しの差でもあるなと思います。
なぜML373を買うべきではないのか
①ML373は土ふまずが倒れる
着用写真を撮っている時に気づいたのですが、ML373を履いて立つと靴の内側・土踏まずのあたりが倒れます。
しかも、真っすぐ立っているようで、真っすぐ立てていない自分にショックを受けました・・・。
対処法あります!
ML373ユーザーの方がこの記事を見ているかもしれませんし、これから買おうとしていたのに・・・と残念な気持ちになっているかもしれません。
そんな方へのオススメの対処法は、【ML373履くならインソールをサポーティブリバウンドインソール(LAM35689)に変更しましょう】という事です。
別売りインソールは土踏まずが落ちないよう設計されているので、足りない部分を補えます。
とはいえ別売りインソールは2200円しますので、ML373を定価で購入した場合、トータルで1万円はかかります。
以上のことからML373に8000円出すなら、ケチらずに最低でもCM996かML574を選んだほうが良いという結論にたどり着きました。
ちなみにamazonのセール、ニューバランス公式のセールで安く買える事がありますので、そこを狙うのもオススメです。
②カウンタリーインフォーサーが無い
ニューバランスのスニーカーの多くは、安定感を出すために、かかとがガッチリ硬くなっているものが多いです。
そのため【カウンタリーインフォーサー】という外付けのプラパーツが付いているのですが、ML373にはついていません・・・泣
そのせいもあってか、前述したように土踏まずが倒れやすかったり、真っすぐ立っているようでも真っすぐ立てていないのではないかと思います。
【カウンタリーインフォーサーが付いているもの】か、【かかとがガチガチに硬いもの】が良い靴の1つの指標でもあります。
③長持ちはしない
各セクションでML373には以下のような特徴が見受けられると言いました。
- ソールの厚みが薄い =摩耗しやすい
- アッパーの素材がペラペラ =傷みやすい
- 土踏まずが崩れやすい =型崩れしやすい
結論なにが言いたいかというと、【こういう靴は長持ちしない】ということです。
毎日仕事でガシガシ履く方、毎日履くからなんでも良いんだよという方、靴にお金はかけたくないという方、色んな方がいると思います。
そういった方こそ王道モデルのCM996かML574にしておいた方が長持ちはします。
(私はML574を毎日酷使しまくっても壊れるまで3年かかりました)
履き心地も、インソールを入れ変えなくても申し分ないパフォーマンスを発揮してくれます。
なぜ996や574の方が良いのか
繰り返しになりますが、ML373にないものがCM996やML574には備わっていて、つくりもしっかりしていると思います。
今回は見た目のデザインが良く似ているCM996やML574を引き合いに出していますが、他にも性能が抜群なモデルはありますのでご紹介しておきます。
まとめ
この記事は全体的にdisり気味だったので「じゃあなんでML373みたいなモデルが存在しているんですか?」という疑問が出てくるかもしれません。
どの企業にも【コストがあまりかからず製造できて粗利が良い商品】=売れば売るほど利益が出る商品があったりします。
ML373なんかはそこに該当するものなのではないかと思っています。(※あくまでも私の見解です)
例えばニューバランスの最高級モデルmade.シリーズはアメリカやイギリスで製造されており3万円以上しますが、円安や物価高騰もありmade.が売れたからといって企業は全然儲からないと思います。
補足ですが、安価なスニーカーや流通が多いスニーカーが悪というわけではありません。
物価が高くなり「価格は抑えたいけど、後悔しない靴が欲しい」という思いを持っている方に接する機会がより増えました。
だからこそ【長い目で見てコスパの良さを追求するならML373は買うべきではない】というのが私の考えです。
最後に、コスパ良く、かつ足にも良いシューズの選びかたを記しておきます。
機能性の高いソールがついたものを選ぶ
ニューバランスの場合、ソールに刻印やロゴがあるものはテクノロジーが搭載されたソールを使用しています。
クッション性もしっかりあるものが多いので、チェックしてみてください。かかとがしっかり硬いものを選ぶ
ニューバランスのシューズだと、かかとに薄いプラの補強パーツが付いているものがオススメです。
スニーカーに詳しくなくても、触ってみたり注意して観察すると分かるので見てみてください。ほどよく曲がるものを選ぶ
靴底を曲げてみて、前のほうは柔らかいけどかかとに向かって硬くなっているシューズを指します。
かかとでしっかり支えて、前は屈曲しやすいシューズは履いていて本当に疲れにくいです。
特に立ち仕事や、歩く時間が長い方にはこういったシューズを強くオススメします。